お笑いで成功するためには何をすべきか。
今回は生意気にも一度もお笑いに挑戦したことのない私が偉そうに語ります。
野球観戦でプロの選手に向かって観客のオジサンがヤジを飛ばしたりしますが、そういう感覚でどうかご覧ください。記事をご覧になる方の中には、本気でお笑いの道で成功したいと考えている方もいることでしょう。
「お笑いを分かってないヤツがしょうもないことを言ってるな」と思いながら聞いていただけたら幸いです。
セールスライターから見たお笑いの難しさ
まず、セールスライターという私の職業ですが、簡単に言ってしまえば<通販の台本を考える仕事>です。
実は、通販の台本というのはある程度「順番」や「型」が決まっています。
以下が、通販の流れです。だいたいがこんな感じで構成されています。
最初に①「こんなお悩みはありませんか?」で始まり、
②「そんな方にはこの商品がおすすめです」と紹介し、
③いかに魅力的な機能を兼ね備えているかを伝え、
④専門家からのお墨付きをもらい、購入者の喜びの声を共有する。
⑤「ちょっと待ってください」で割引やおまけをつける。
⑥最後に全額返金保証をつけて「今すぐお電話ください」で締めくくる。
お笑いの難しさ:型が存在しない問題
上で示したように通販の世界では型や構成がありますが、お笑いの世界では型がないのが大問題だと考えています。
大前提としてお笑いというのは、意表を突いた予想外の発言や行動(ボケ)が必要とされます。つまらない芸人さんのネタは素人から見ても次の展開が容易に予想できます。
お笑いでは独創性やクリエイティブが求められると思うのですが、そもそも何もないところからは独創的な何かは生まれようがありません。基礎となる土台があってはじめてクリエイティビティは発揮されると思うのです。
しかし、お笑いの基礎を勉強しようにも教科書的なものが存在していないので、土台すら築くことができないのでないかなと考えています。
売れていないお笑い芸人の方で、迷走している方が多いのも教科書的な勉強をすることができないからだと思うのです。
落語家とお笑い芸人は違う
落語もお笑いの一種であると世間的には認識されているのかもしれませんが、私は全くの別物だと考えています。
お笑い芸人はとっさに機転を利かせたり、意表を突いたボケで笑わせるのが仕事です。
一方落語家は、あらかじめ台本が決まっていて、話のからくりや展開の爽快感で楽しませるのが仕事です。落語の話で笑わせるという行為はサブミッションだと私は考えています。
落語の技術を身に着けようと考えた時、いくつか改善点や検討すべき点というのはある程度見えてくると思います。→豊かな表情、口調、声のトーン、お話の暗記など。
しかし、お笑いで改善点や検討すべき点というのは、私目線では全く見えてきません。そもそも何をしたら人が笑うのかということ自体が理解不能ですし。
ボケてからあえて滑ることで笑いを誘うという手法もあるくらいなので、一概に何が正解なのか、はっきりしないところがお笑いの難しい点です。
お笑いの難しさ:迷走するとすぐ脱ぎたがる問題
お笑いの世界で若手芸人さんが陥りがちなのが、笑いが取れないからとりあえず脱いでみようという思考回路にはまっちゃう点です。
とても偉そうで申し訳ないのですが、もしお笑いで大成功したいのならこの方法はおすすめできません。
なぜ素人の私にそんなことが言えるのか。それは今現在、お笑い界の第一線で活躍し続ける人に、裸の人が1人もいないからです。
明石家さんまさん、ダウンタウンさん、クリームシチューさん(司会が多い上田晋也さん)など、裸の人が誰一人としていないのです。
彼らの最大の武器は「トーク力」や「話の面白さ」です。
基礎的でシンプルな技が最強である
空手で最も威力が出るのは正拳突きだそうです。正拳突きは基礎的な技ですが、シンプルながら無駄な動きがなく、最も威力が出るのです。
野球でも同じで、強いピッチャーは基礎的な技であるストレートが速く、正確に投げることができます。カーブしか投げられない、スライダーしか投げられないという投手は試合では使い物になりません。
私のセールスライティングの世界でも同じで、過去に成功したプロモーションを参考にし、徹底して基礎を守ったほうが成約率が上がります。世の中にあふれる広告の中には、意外性を出すために煽ったり、喧嘩を売っているかのようなフレーズを使ったりするものもありますが、それらの変化球はまず成功しません。
もしお笑いで成功しようと考えたらトーク力、話の面白さを磨く以外に道はないと確信しています。裸の芸人というのはエンターテイナーよりの要素が強く、大流行する可能性はありますが、必ず一発屋で終わってしまいます。
裸芸人になる、奇行に走る、というのは変化球のようなもので、何十年も持つ者ではありません。お笑い界のビッグスターは、シンプルで最も基礎的な喋りの面白さを武器としています。
まだ売れていないお笑い芸人が真っ先にすべきこと
ようやくここまで来ました。本記事の本題でございます。
お笑い芸人が売れるために何をすべきか、1度もお笑いに挑戦したことないセールスライターが生意気にもお答えします。
それはお笑い界のスーパースターのネタや喋りを丸暗記すること。だと考えています。
具体例を挙げるなら、ダウンタウンや爆笑問題のネタで1番有名なもの、もしくは最も好きなものを完璧に暗記すること。ネタを丸暗記し、全く同じトーン、同じタイミングで喋る。声のボリュームや間の取り方、表情に至るまで全てを完璧にコピーする。
たぶんこれがお笑いの世界での「教科書」に当たるのではないかと考えています。
我々のセールスライティングの世界で、初心者が最初に何をさせられるかというと、過去に何百億円も売り上げたセールスレターをひたすら写経させられます。訳も分からないまま、ひたすら手で何十回も書き写すのです。
「なぜこういう文章なのか頭で考えるな、体に感覚的に覚えさせろ」という感じに言われ、意味が分からないまま、ひたすら音読と書き写しを繰り返しました。
学校の勉強でも、数学の場合だと例題を書き写して、そのあとに似たような練習問題を解いて基礎を身に着けていきます。
国語だと漢字練習、英語だと英単語をひたすらノートに書きまくる行為と同じです。
まだ売れてもいない芸人が、偉大な先輩方のコントや喋りを覚えることもしないで、裸になったり奇行に走ったりしてオリジナリティをアピールしていくのは尚早で誤りなのではないかと私は考えているわけです。
まず最低限、基礎(=決して欠いてはならない)でもある先輩方のネタや喋りを体に覚えさせましょう、と言いたいのです。そこから独自の強みを見つけて言ったり、オリジナリティを見つけていっても遅くはないのかなと思うのです。
まとめ:お笑い芸人が売れるために何をすべきか
セールスライター視点では、ダウンタウンや爆笑問題のネタを丸暗記する。
もしくは、明石家さんまが司会をしている番組を録画し、喋りを丸暗記する。
これはあくまで、セールスライターとしての私個人視点での考えです。私はセールスコピーを勉強するのにひたすら手で書き写す練習をさせられました。
そういうわけで、偉大な先輩のネタを教科書として丸暗記するのは、お笑い芸人でまだ売れていない時期に練習すれば、一定の効果が発揮されるのではないかと考えました。
今回はこのへんで。どうもありがとうございました。