今回は価格や価値のお話です。
値段をいくらにするか、という疑問を考えだしたらキリがないですよね。
今回は値段の決め方のヒントをお届けします。
価格を上げて購入者と自分、両方を幸せにする
起業家、経営者と聞くと、お金への執着が強そうなイメージがあるかもしれませんが、あなたさえ良ければ安い価格で仕事をする時期があっても良いと思います。場合によっては無料で引き受けることもOKです。
新商品を試してほしい時、客さんの声を集めたい時、自分自身を磨き価値を高めたい時など、その時の状況に合わせて価格は自由に設定して良いのです。採算が取れないとしても、しっかりと目的をもって意図的に低い価格で提供するのは素晴らしい判断だと思います。
とは言うものの、いつまでも安すぎる価格で仕事をするのはお勧めできません。ビジネスがいつまでも軌道に乗らない人が抱える問題としては、価格設定が安すぎるという点が挙げられます。
長い間安く売っていると、
・価格を上げるタイミングを失ってしまう
・お客さん、取引先から「安く売ってくれる人」と思われていて、その期待を裏切れなく
なってしまう
・価値を上げてお客さんを幸せにして、自分も豊かになるという夢を失ってしまう
・ビジネスが楽しくなくなる
このような問題が次々と出てきてしまいます。
商品価値を見直すベストなタイミング
仕事を頑張っていると、ある時
「これだけ頑張って、これだけしか稼げないなんて全然割に合わない・・・」
「このサービスは安すぎるのではないか」
と感じることがあると思います。
そう思った時が、商品やサービスの価値、価格を見直すタイミングです。
自分がどれだけの作業をして、どれだけのものをお客さんが受け取るのかを考えてみる良い機会です。
具体的には、
- 自分の仕事、作業に値段をつけてみる
- 商品を細かく分解して、パーツごとに値段をつけてみる
- 相手が受け取るもの、享受するものに値段をつけてみる
という方法があります。
個人経営の小さなマッサージサロンを例にしてみると以下のような具合です。
5,000円で提供している全身マッサージを値上げしたい場合です。
- 自分の仕事、作業に値段をつけてみる
「全身マッサージをするのは、けっこう疲れるんだよな。指は痛くなるし、つりそうになるし…。今は5,000円でやってるけど、本当は15,000円 くらい欲しいんだよな」
全身マッサージの作業料 → 15,000円
- 商品を細かく分解して、パーツごとに値段をつけてみる
「今は全身を5,000円でマッサージしてるけど、部位ごとに自分が損しない金額を決めてみよう。顔は3,000円、両腕は4,000円、首は2,000円、背中は5,000円、両太ももは3,000円、両ふくらはぎは2,000円、両足裏は3,000円。合計してみると、うわっ!22,000円分も実は頑張ってたんだ!」
全身マッサージを部位ごとに小分けしてから合計した値段 → 22,000円
- 相手が受け取るもの、享受するものに値段をつけてみる
「自分は一流マッサージ師の下で学んで、だいぶ実力もついてきた。お客さんは気持ちよくなること(10,000円)以外にも、血流がよくなる(2,000円)、老廃物を体の外に出せる(2,000円)、疲れを残しにくい体質になる(2,000円)、肌が若返る(2,000円)というメリットを受け取るな。お客さんが受け取るメリットで考えると合計18,000円になった!」
全身マッサージによってお客さんが受け取るメリットの値段 → 18,000円
このようにいろいろな視点から見ると、どのくらいの価格に設定すればいいのか、今のあなたに見合った商品(サービス)の値段が見えてきます。
自分の作業料としては 15,000円
パーツごとに値段を小分けにしてから全部合計してみると 22,000円
相手が受け取るメリットで考えると 18,000円
こうなってくると、5,000円で嫌々とマッサージすることに決別できると思います。
この場合だと、16,000円くらいで自信をもって売り出せるのではないでしょうか?
本来欲しかった15,000円よりも高い値段が受け取れるのであなた自身も満足できます。
部位ごとにやると合計22,000円になるのが16,000円なので、なんと6000円分もお得に提供できます。
お客さんが受け取るメリットで考えても18,000円分の価値はあるので、値上げする抵抗もあまりないはずです。
価格設定は本人の自由なのでいくらに設定しても良いのですが、この場合だと全身マッサージの価格をだいたい16,000円~20,000円くらいに設定できるのではないでしょうか。
あなたの自信は良くも悪くも伝染する
価格設定をする時、あなたの持っている自信はお客さんにも敏感に伝わります。
例えば、先ほどのマッサージだと、「5,000円で売って今まで損してきたんだから、その分を取り返すためにも思い切って30,000円で売ってみよう」と考えてしまう人もいるかもしれません。
しかし、心の奥深くでは、「高くても20,000円くらいの価値しかないんだよな」と思っているので、3万円分の価値提供をできないという自信のなさが相手に伝わってしまいます。
すると、自信のなさ、相手からふんだくってしまう罪悪感や恐怖心などネガティブな要素がお客さんにも敏感に伝わります。
すると値上げをしたときにお客さんが一気に離れていったりするわけです。
ビジネスと言うと、統計学とか数学といった科学的なイメージがありますが、実は「自信があるか無いか」という非科学的・オカルト的な要素が最も強く影響したりするのです。
値上げする時、また値下げする時も自信をもって行いましょう。
「この価格で提供すればお客さんも自分も幸せになれる」という確信が、商品の値上げを成功させる秘訣です。
今回はこのあたりで。
読んでくださってどうもありがとうございました。